【旅行ガイド】ワルシャワ 公共交通機関の利用ガイド

ワルシャワ市電の記事を連載してきたことからお分かりの通り、私は以前ワルシャワへ旅行し、公共交通機関に乗りまくりました。
ワルシャワの市内交通の利用方法についてはやや情報が少ないようですので、私の知る範囲で情報の調べ方をメモしておきます。

なお、以下の情報は2013年8月に執筆しました。ネット上の情報も2013年8月に調査しました。それ以降の変更は反映してありません
絶対に間違いがない情報でないと困る場合は、このブログを頼りにせずご自身でお調べ下さい。

また、ポーランド政府観光局のブログにも、乗り方について分かりやすくまとまった記事がありますので、併せてご覧下さい。ていうかあちらの方が分かりやすいと思います(笑)

●どんな交通手段があるの?
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【車両紹介】ワルシャワ市電の車両たち2011:PESA 120N/ Rolling stock of Warsaw tram in 2011 : PESA 120N

Stare Miasto電停を発車する120Na / A 120Na leaves Stare Miasto stop.

Stare Miasto電停を発車する120Na / A 120Na leaves Stare Miasto stop.

ワルシャワ市電初の100%低床車です。
2007年に導入されたグループを120N、続いて2009年から導入されているグループを120Naと称します。120Naの中には、両運転台となっている車両があり、それは120NaDUOと呼ばれています。
いずれも全長約30mの5連接車で、メーカーはコンスタルからPESA(ペサ)になりました。

120N。120Naとは前面スタイル等が異なる。Most Poniatowskiegoにて。 / A 120N at Most Poniatowskiego.

120N。120Naとは前面スタイル等が異なる。Most Poniatowskiegoにて。 / A 120N at Most Poniatowskiego.

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【車両紹介】ワルシャワ市電の車両たち2011:FPS 123N/ Rolling stock of Warsaw tram in 2011 : FPS 123N

161914_ZTM(Most poniatowskiego)トリミングFPS 123N。Most Poniastowskiego電停付近にて。
A FPS 123N at Most Poniatowskiego.

 2006-2007年に導入された車両です。車体の全体的な形状やドア配置にはコンスタル105Naの面影があるように思えるのですが、あまりはっきりした情報がないものの、どうもコンスタル105Naの更新車ではなく、新造のようです。すでに部分低床車(コンスタル116N)も登場していた時期に、なぜ高床車を投入したのか、意図は謎ですが。
 製造を行ったのはH. Cegielski – Poznań社で、ワルシャワ市電へはこの形式のみ納入したメーカーです。以前は国鉄(PKP)向けの機関車なども納入していましたが、現在は産業用のエンジンなどの生産が中心のようです。
 外観はコンスタル105Nを近代化したようなイメージで、車内もオフホワイト基調の壁・天井に埋め込み型の明るい照明、布張りのシートなど大幅に進化しています。自動放送・車内案内表示装置もあるなど、床の高さ以外は現代的な水準となっています。
 制御方式はサイリスタチョッパ制御で、走行音はコンスタル105N2kとほぼ同じです。在籍数は30両にとどまっています。

【車両紹介】ワルシャワ市電の車両たち2011:コンスタル116N/ Rolling stock of Warsaw tram in 2011 : Konstal 116N

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コンスタル116Na。Most Poniatowskiegoにて。
A Konstal 116Na at Most Poniatowskiego.

1998年から製造された部分低床車。日本では部分低床車の評判はいまいちですが、ワルシャワ市電は信用乗車方式となっており、運賃支払いのため車内を移動する必要がないので、部分低床車でも十分に機能を果たしています。
116Nは、その中でさらに116Nと116Naに形式が分かれており、116Naは116Nに比べるとモーター出力がアップしている(50kW×4から75kW×4へ)ことや、誘導電動機を採用していることが相違点です。在籍車のほとんどは116Naで、116Nは1編成のみです。
全長24mの3連接車で、この後導入されたPESA 120Nが30m級なのに比べるとやや小型ですが、複数編成を連結しての運転は行っていません。
この形式の前には、112Nという全長20mの2連接車も製造されましたが、1編成のみの導入にとどまっていますので、試験的な存在のようです。

最前部と最後部の台車、計4軸が駆動軸となっています。2000年までに約30編成が導入されており、訪問時は目抜き通りであるイェロゾリムスキェ通りを通る路線を中心に運用されていました。

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【車両紹介】ワルシャワ市電の車両たち2011:コンスタル105Na/ Rolling stock of Warsaw tram in 2011 : Konstal 105Na

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コンスタル105Na。ヘッドライトケースは原型の四角いもの。ドアの下半分には窓がない。現地ファンサイトによると、これはどうも後天的な改造によるものの模様。
A 105Na with square headlight.

ワルシャワ市電の最大勢力です。
いわゆる「角タトラ」(タトラT5・T6シリーズ)に酷似した外観ですが、ポーランドの国産車となっています。1979年から1992年までの長きにわたって、約2000両(メーターゲージ路線向けの、805Na型も含んだ数)が生産され、ポーランドのほとんどの市電において、その姿を多数目にすることができます。
この車種は、前回ご紹介した13Nを基本として、電機品の改良・車体デザインの変更を行ったものです。特に車体では、デザインの変更とともにドア数の増加が印象的です。客用扉は4扉となり、一面ドアだらけといった風情の外観になっています。また13Nのドアが4枚折戸だったのに対し、105Naはグライトスライド扉となっています。
車内は一人掛けの前向きシートが並び、天井には直方体のカバーに覆われた蛍光灯が並びます。13Nと同じく実用一点張りで全く飾り気のないデザインです。

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105Naの車内。下回りの更新を受けた「105N1k」と称するタイプのもので、車内はあまり手を加えられていないが、電光案内装置の設置が行われている。
Interior of 105Na. Passenger information display is added.

13Nがもっぱら2両連結で運行されているのに対し、105Naは休日などに一部の系統で単車運転が行われています。ワルシャワでは、市電の路線のあるところどこでも見かけることができました。
 コンスタル105Naはなにしろ両数が多いうえ、共産主義政権の崩壊後、経済環境やら技術水準やら生活水準やらが激変したこともあって、多種多様なバリエーションが生じていおり、趣味的にも大変興味深いものとなっています。
 その全容を短い滞在で把握することは出来ませんでしたが、以下にバリエーションの数々をご紹介します。

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【車両紹介】ワルシャワ市電の車両たち2011:コンスタル13N/ Rolling stock of Warsaw tram in 2011 : Konstal 13N

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コンスタル13N。ヘッドライトが角形のものに換装されている。Stare Miasto電停にて。
Konstal 13N at Stare Miasto. Headlight was changed to square lamp.

1959年から製造された車両で、アメリカで生まれたPCCカーの流れを汲む、高性能路面電車初期の車両です。これまでの車両は、戦前からの延長線上にある吊り掛け駆動の四輪単車で、電動車が1~数両のトレーラーを牽くスタイルだったのに対し、コンスタル13Nではカルダン駆動で大型車体のボギー車と、格段に近代化がなされました。
四輪単車では、モーターが60kW程度×2の電動車がトレーラーまで牽引していたのに対し、コンスタル13Nでは41.5kW×4で、しかもトレーラーはなく連結運転時も全電動車編成となりますので、性能面でも大きく向上しています。実際乗車してみるとたいへんな高加減速車で、立っている時は手すりに掴まらないと確実によろけてしまうほどでした。

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コンスタル13Nの後部。先頭部とはかなり印象が異なる造形。Rondo ONZにて。
A tail of Konstal 13N at Rondo ONZ.

チェコスロバキアで生産された、所謂「タトラカー」の元祖であるタトラT1型と類似した車両です。タトラT1は2両だけがワルシャワにも投入され、1956年から1968年まで使用されました。ポーランドの他都市でも、同世代の車両は2011年時点でほぼ淘汰されており、まとまった数で残っていたワルシャワは珍しい存在です。
ちなみにワルシャワ以外の都市では、単車タイプの13Nではなく、2両連接車タイプのコンスタル102N・102Naが多く投入されていました。
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【車両紹介】ワルシャワ市電の車両たち2011:概説/ Rolling stock of Warsaw tram in 2011 : Overview

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市内中心部、文化科学宮殿を背景に走るコンスタル13N。Centrum電停付近にて撮影。
Konstal 13N runs in Centrum. Buckground is Palace of Culture and Science

2011年、ワルシャワを訪問しました。ここでは「トラムのひびき」サイトの補足として、ワルシャワ市電の車両について解説します。まずは概説から。
基本的に2011年1月現在の情報ですが、車両数の情報については当時の情報が分からないため、2013年2月現在の情報です。情報が混在してわかりにくいかと思いますが、ご勘弁下さい。

2011年現在、ワルシャワ市電の車両は大きく分けて5種類でした。コンスタル13N、コンスタル105Na、FPS 123N、コンスタル116Na、PESA 120Nです。
うちコンスタル13Nは、2012年12月に全車営業から退いています。

コンスタル13N、コンスタル105Na、FPS 123Nは全長13m級の単車、コンスタル116Naは全長24m、PESA120Nは全長30m級の連接車です。単車は2両連結で運行されている場合がほとんど(休日などは一部系統で単行運転)で、結果的にコンスタル116Naだけが若干輸送力が小さいことになります。
総車両数は約750両(単車は一台を1両、連接車は一編成を1両として数えた場合。両数のデータだけは2013年2月現在です)で、最大勢力はコンスタル105Naとその改造車ですが、超低床車であるPESA 120Nが急速に勢力を拡大しており、2013年2月現在で160編成あります。最も少ないのはコンスタル116Nの約30編成・FPS 123Nの30両です。
両数のデータは、訪問時(2011年現在)のものが得られなかったため、コンスタル13Nの在籍数は不明です。2011年の訪問時は、コンスタル116Nよりも頻繁に見かけましたので、晩年まで結構な両数が残っていたのでしょう。
ほとんどの車両は片運転台で、乗降扉も進行方向右側の側面にのみ存在しますが、一部のPESA 120N(2013年2月現在、6編成のみ)では両運転台・両側ドアとなっています。

塗装は全車とも黄色/赤色のツートンカラーで、ワルシャワ市旗と同色です。市内バスも同じ色に揃えられています。
追って、各車種ごとの詳細な解説をアップしていく予定です。