乗り物絵本の大家、山本忠敬氏の鉄道イラストがこれでもかと詰め込まれた大作図鑑です。蒸気機関車登場の更に前、車輪の登場から説き起こし、トレシヴィックの蒸気機関車から新幹線500系まで、古今東西の鉄道車両が時代順に描かれています。
一応子供向け(私も子供のために購入しました)イラスト図鑑の体裁を取っていますが、山本忠敬氏の鉄道イラストを大量に眺められるのは、鉄道好きなら年齢を問わず楽しい体験という方も多いでしょう。大人の鑑賞にも十分堪える良書です。
●鉄道史に名を残す車両は古今東西みな登場
そのボリュームたるや凄まじいもので、スティーブンソンのロケット号も、世界初の地下鉄で走った蒸気機関車も、シーメンスがデモンストレーションした世界最初の電気機関車も、世界最速の蒸気機関車マラード号も、新幹線0系も、本格的インバーター制御車の先駆者ドイツ国鉄120形も、鉄道史に名を残す車両はみな描かれています。
そればかりか、支線区用のタンク機関車や入換用のディーゼル機関車など、決して華やかとはいえない車両も山のように載っており、一体どこからこんなに沢山の車両の資料を集めたのかと不思議に思うくらいのボリュームです。イラストだけなら写真があれば何とか描けそうな気もしますが、スペックも全車両について載っているのですから、事前の資料集めの時点で大変な時間がかかっているものと思います。 続きを読む