コンスタル105Na。ヘッドライトケースは原型の四角いもの。ドアの下半分には窓がない。現地ファンサイトによると、これはどうも後天的な改造によるものの模様。
A 105Na with square headlight.
ワルシャワ市電の最大勢力です。
いわゆる「角タトラ」(タトラT5・T6シリーズ)に酷似した外観ですが、ポーランドの国産車となっています。1979年から1992年までの長きにわたって、約2000両(メーターゲージ路線向けの、805Na型も含んだ数)が生産され、ポーランドのほとんどの市電において、その姿を多数目にすることができます。
この車種は、前回ご紹介した13Nを基本として、電機品の改良・車体デザインの変更を行ったものです。特に車体では、デザインの変更とともにドア数の増加が印象的です。客用扉は4扉となり、一面ドアだらけといった風情の外観になっています。また13Nのドアが4枚折戸だったのに対し、105Naはグライトスライド扉となっています。
車内は一人掛けの前向きシートが並び、天井には直方体のカバーに覆われた蛍光灯が並びます。13Nと同じく実用一点張りで全く飾り気のないデザインです。
105Naの車内。下回りの更新を受けた「105N1k」と称するタイプのもので、車内はあまり手を加えられていないが、電光案内装置の設置が行われている。
Interior of 105Na. Passenger information display is added.
13Nがもっぱら2両連結で運行されているのに対し、105Naは休日などに一部の系統で単車運転が行われています。ワルシャワでは、市電の路線のあるところどこでも見かけることができました。
コンスタル105Naはなにしろ両数が多いうえ、共産主義政権の崩壊後、経済環境やら技術水準やら生活水準やらが激変したこともあって、多種多様なバリエーションが生じていおり、趣味的にも大変興味深いものとなっています。
その全容を短い滞在で把握することは出来ませんでしたが、以下にバリエーションの数々をご紹介します。
○105N2k/2000
N105N2k/2000と称する、大幅なリニューアルを受けた車両。こちらもチョッパ制御に更新されているほか、車内もリニューアルされて布貼りの座席に交換され、自動放送や車内案内表示装置も取り付けられている。
A N105N2k/2000. Exterior and interior is completely refurbished. Chopper control system is introduced.
最も大規模な改造を受けたタイプ。電機品の更新(サイリスタチョッパ制御に)、車内の全面的なリニューアル、自動放送やLED行先表示機の設置、ドア数の変更(3扉に)、グライトスライド扉からプラグドアへ変更、前面デザインのリニューアル、塗装変更など、徹底的に手が入れられています。床が高いこと以外は、最新の電車と遜色ない水準の電車になっています。
下述の105N2kとあわせ、計122両(2013年2月現在)が更新されています。
○105N2k
ドアを一つ埋め3扉にしたうえ、プラグドアに変更し、あわせてLED行先表示機の設置、自動放送の設置、電機品の更新を行ったグループです。こちらは105N2k/2000に比べるとかなり少数派。
リニューアル車。チョッパ制御への更新と3扉化がなされ、自動放送や車内電光案内表示装置の導入も行われており、「105N2k」と称する。
No.2018 modernised car. Chopper control system and passenger information system is introduced. One passenger door was closed. This is called “105N2k”.
こちらも105N2kだが、上写真の車両とは行先表示機が異なる。
No.2038. This is 105N2k too. But headlight and destination display is diffrent from No.2018.
○105Naのバリエーションいろいろ