2019年7月下旬、私はソウルを旅行してきました。その際、仁川市内のニュータウンで運行されているBRTを体験してきましたので、その模様をお伝えしたいと思います。
BRTが走っているのは、仁川市内で開発中のニュータウン「青羅国際都市」内と、そことソウル市内を結ぶ幹線道路で、青羅国際都市内を走る路線(701・702系統)は実態としてはBRTながら名前はGuided Rapid Transit、略してGRTと呼ばれています。ソウル市内と青羅国際都市を結ぶ路線(7700系統)はBRTと称されています。
●ソウルとニュータウンを結ぶ7700系統
ソウル市内と青羅国際都市を結ぶ路線は、7700系統のほかにも1000系統など多数ありますが、7700系統はソウル市街地を出ると10km以上に及ぶ中央バスレーンを走行し(ソウル市街地内にも一部に歩道寄り車線のバスレーンがあり)ます。
訪問時は、7700系統のソウル側始発である地下鉄9号線加陽駅からバスに乗車しました。乗客は私だけで、平日午前中の下り便にしても寂しいですが、禾谷駅からは多数の乗車があり座席の三分の一ほどが埋まりました。
車両はトップドアのハイデッカー車で、高速道路を通らないにも関わらず座席数・快適性重視の車両です。車種は大宇FXⅡ116「クルージングアロー」で、他の路線・地域でも見られる一般的な高速バス車両です。
塗装は他の路線とは異なる独自カラーとなっています。
しかしもちろん他路線と同じくICカード(T-money)は使えますし、車内放送も他路線と同じように流れますし、ソウル首都圏共通運賃制度に組み込まれていますから、使い勝手の面は他路線と統一が図られています。
●中央バスレーンを延々快走
禾谷駅を出て2kmほど走ると、市街地を出て畑も見られる景色になり、同時に幹線道路の中央バスレーンに入ります。運転マナーは東京より荒いソウルですが、バスレーンを侵す一般車は見受けられません。
もちろんずっと一面の畑の中を走るような状況ではなく、道沿いに時々市街地が現れて、また仁川市内に入ると新しい店や高層マンションが立ち並ぶ車窓になりました。
バス停の間隔は長く1km以上のところもあり、まさにRapidなバスです。バス停の設備はどこも立派で、複数台同時に縦列停車できそうな長い停留所で上屋・バスロケーションシステムが完備しており、バス同士の追い越しも可能です。
仁川地下鉄1号線鵲田駅で乗客の半数以上が降りますが、中央バスレーンはなおも続き青羅国際都市に入ります。途中に高速道路の流出路が道路中央に合流する箇所がありますが、わざわざ中央バスレーンを避けて一般車線へ合流してくる構造となっており、道路の設計時からバスレーン設置を前提としていたようです。
私は青羅国際都市の入口である仁川地下鉄2号線佳亭駅で降りました。周囲は工事現場のクレーンと未開発の原っぱが目立ちます。
その時点では乗客のほとんどが下車した後で、やっぱり少し寂しい状況でした。7700系統の運行本数は昼間毎時4本程度とソウルのバスにしては少なめで、折角の立派な設備がもったいないですが、この利用状況ではやむを得ないかと感じます。
もっとも、青羅国際都市を含め沿線は開発途上の部分が多く、やがては賑わってくることでしょう。
Part2に続きます。