【旅行記】ソウル近郊BRT試乗記 Part 4 / [Travel literature] Visit in BRT near Seoul Part4

Part3から続きです。

●東京のミニ地下鉄よりもっとミニな、仁川地下鉄2号線
 佳亭からは仁川地下鉄2号線と空港鉄道を乗り継いでソウル市内へ戻ります。
 仁川地下鉄2号線はミニ地下鉄で、東京の銀座線より更に一回り小さいサイズの車両が2両で走る自動運転の路線です。
 東京だとこの手の中量輸送路線はゆりかもめや千葉都市モノレールに代表されるようにゴムタイヤ走行が多いですが、ソウルだとこの路線に限らず鉄輪式が多いのは面白いところです。
 駅の改札口まわりやホーム幅員は普通の地下鉄とさほど変わらない印象ですが、ホーム有効長は小型車両4両分で短いです。

 電車はおそらく5分前後の間隔で来るにもかかわらず、立ち客が各車両10人以上いて意外に混雑しており、利用者は定着しているようです。電車は自動運転ですが、係員が乗車しています。私のような利用者とともに一応前方を監視していますが、露骨にヒマそうにしているのは外国ならではのユルさ(日本のキッチリさは世界的には異端かつやや行き過ぎと思います)です。

 空港鉄道と接続する黔岩(コマム)で下車し、地上区間を走行する写真を撮影します。フルハイトタイプのホームドアが完備されているのでガラス越しになってしまいますが、撮影できました。

黔岩駅に進入する仁川地下鉄2号線の電車。


 しかし、どの電車もテールライトを点灯しながら進入してくるのは不思議です。トンネル内ですれ違った電車はヘッドライトを点灯していたので、地上では標識灯代わりにテールライトを点灯しているのでしょうか?
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【旅行記】ソウル近郊BRT試乗記 Part 3 / [Travel literature] Visit in BRT near Seoul Part3

Part2から続きです。

●バイモーダルトラムに乗車
 佳亭駅から乗車したのは私のほか僅かに2人で、周囲の開発が進んでいないにせよちょっと寂しいところです。運賃は他の路線バスと同じく前扉で運転士の監視のもと支払う方式になっており、欧米のLRTのような信用乗車方式ではありません。
 乗車すると、走り出してもエンジン音は一定なのに対しモーター音が徐々に高まっていく走行音で、パラレル式ハイブリッドならではです。
 佳亭駅を出て最初の停留所付近からは青羅国際都市として既に開発が進んでいるエリアに入っていき、高層マンションが林立して乗客もぼちぼち乗り込んでくるようになります。それでも座席は半分も埋まらず、昼間とは言えバイモーダルトラムはかなり輸送力を持て余しています。
 もっとも、しばらく走るとまた空き地や工事現場が目立つようになり、まだまだ開発途上の街の様相でしたから、この気合の入ったシステムは先行投資のようなものなのでしょう。

ビジネスセンター停留所を青羅国際都市駅へ向け発車してゆくバイモーダルトラム


 折角なので乗車のほかにバスレーンを走っている写真も撮りたいと思い、終点青羅国際都市駅の2つ手前のビジネスセンター(비지니스센터)停留所で下車しました。
 佳亭駅からここまで、中央走行式のバスレーンが完全に確保されており、またグーグルマップの航空写真を見る限り青羅国際都市駅までも中央バスレーンが続いています。
 7700系統とは異なり、停留所におけるバス同士の追い越しレーンは確保されておらず、急行運転を行うつもりはないようです。

屋根・ベンチ・接近表示が完備されたGRTの停留所。複数台停車可能だがバス同士の追い越しは考慮していない構造。


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【旅行記】ソウル近郊BRT試乗記 Part 2 / [Travel literature] Visit in BRT near Seoul Part2

Part1から続きです。

●GRTの停留所に到着
 佳亭駅からはいよいよGRT(Guided Rapid Transit)なる珍しい名称の乗り物に乗ります。事前に調べたところによれば、連接バスと一般的なバスの2種が運行されているそうで、連接バスは「バイモーダルトラム」と呼ばれる自動運転対応車が走っているようなので、できれば連接バスを撮りたい・乗りたいところです。
 しかしスマホアプリでバスロケーションシステムを見ると、この時バイモーダルトラムは702系統に1台運用されているのみのようでした(ソウルのバスロケは走行中の車番もわかるので、お目当ての車両の車番を知っていればこういうことがその場でわかります)。
 バス停掲示の時刻表には「赤字:バイモーダルトラムで運行」の旨の記載がありますが、それには従っていないようです。

佳亭駅バス停のGRT時刻表。赤文字はバイモーダルトラムとの備考があるが……


 仕方ないので一般バス車両によるGRTを撮りながら、連接バスの到着を待ちます。

 一般バス車両の方も、バイモーダルトラムほどのインパクトはないものの、専用塗装で他路線との差別化が図られており、行先表示にも「GRT」と表示されています。車体には「CNG」の表示があり、CNG燃料の低公害車ですが、この点はソウル周辺の路線バスでは珍しいものではありません。
 車種はエジソン・モータースのファイアーバードで、当路線のほかソウル市内などでも目にすることができるバスです。電気バス仕様もありますが、当路線ではCNG車が走っています。
 ちなみに日本でも北九州市交通局が電気バスとして同型車を運行していますが、車体は韓国製・走行機器は日本製となっていますので、韓国で走っているものとは外見が同じでも中身は異なります。

一般車両(エジソン・ファイアーバード)によるGRT。


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【旅行記】ソウル近郊BRT試乗記 Part 1 / [Travel literature] Visit in BRT near Seoul Part1

 2019年7月下旬、私はソウルを旅行してきました。その際、仁川市内のニュータウンで運行されているBRTを体験してきましたので、その模様をお伝えしたいと思います。

 BRTが走っているのは、仁川市内で開発中のニュータウン「青羅国際都市」内と、そことソウル市内を結ぶ幹線道路で、青羅国際都市内を走る路線(701・702系統)は実態としてはBRTながら名前はGuided Rapid Transit、略してGRTと呼ばれています。ソウル市内と青羅国際都市を結ぶ路線(7700系統)はBRTと称されています。

●ソウルとニュータウンを結ぶ7700系統
 ソウル市内と青羅国際都市を結ぶ路線は、7700系統のほかにも1000系統など多数ありますが、7700系統はソウル市街地を出ると10km以上に及ぶ中央バスレーンを走行し(ソウル市街地内にも一部に歩道寄り車線のバスレーンがあり)ます。
 訪問時は、7700系統のソウル側始発である地下鉄9号線加陽駅からバスに乗車しました。乗客は私だけで、平日午前中の下り便にしても寂しいですが、禾谷駅からは多数の乗車があり座席の三分の一ほどが埋まりました。

7700系統の車両。佳亭駅にて。


 車両はトップドアのハイデッカー車で、高速道路を通らないにも関わらず座席数・快適性重視の車両です。車種は大宇FXⅡ116「クルージングアロー」で、他の路線・地域でも見られる一般的な高速バス車両です。
 塗装は他の路線とは異なる独自カラーとなっています。
 しかしもちろん他路線と同じくICカード(T-money)は使えますし、車内放送も他路線と同じように流れますし、ソウル首都圏共通運賃制度に組み込まれていますから、使い勝手の面は他路線と統一が図られています。

中央バスレーンを車内から(スマホで撮影)。

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