【本の紹介】URBAN RAIL DOWN UNDER(オセアニアの都市鉄道)

 ダウンアンダー、つまり(欧州から見た)地球の裏側、すなわちオーストラリアとニュージーランドの都市鉄道にスポットを当てた本です。
 前回ご紹介した本と同じロバート・シュヴァンドル氏によるもので、紹介されている都市はオーストラリアのパース、アデレード、メルボルン、シドニー、ブリスベン、ゴールドコーストと、ニュージーランドのオークランド、ウエリントン、クライストチャーチです。
 貨物はともかく旅客輸送の分野においては、鉄道が実用的な交通機関の体をなしていないイメージすらある両国ですが、特にオーストラリアにおいては都市鉄道が充実しており、またニュージーランドにおいても、都市交通として無視できない質と量で近距離鉄道が運行されていることが、本書によりわかります。

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【音】東横線渋谷駅 高架ホーム/ [Sound] Shibuya station, former eleveted platform of Toyoko line

[audio:http://tramsound.sakura.ne.jp/sblo_files/tramsound/sound/201303Tokyu_Shibuya.mp3|animation=no]【音】東横線渋谷駅高架ホーム 3番線
[SOUND] Shibuya station, eleveted patforms of Toyoko line.
(約12分/ approx. 12 minuts)
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上 : いつも乗客で賑わっていたホーム。 下 : 惜別ヘッドマークを付けた9000系。一般乗客の注目も集めていました。
Above : Former elevated platform. The platform was so busy anytime.
Below : The series9000 train with plate. The plate said “Goodbye series9000 on Toyoko line”.

2013年3月15日、多数の人に見守られて廃止となった、東急東横線渋谷駅高架ホームの音を収録しました。廃止一週間前の夕方の録音で、家路を急ぐ人々で下り電車は混雑していました。
副都心線直通開始を前にして、ほとんどの列車は5000系列で運転されていましたが、一本だけ運用に入っていた9000系の発車シーンも収録されています。最終日の人出はそれはそれは大変なものだったようですが、この日もすでに多数の人がカメラや携帯電話で撮影するようになっており、出入りする列車は頻繁に警笛を鳴らしていました。
とはいえ、全体的な雰囲気はまだまだ日常の渋谷駅のそれで、ゆっくりと出入りする電車のジョイント音と、いつも通りのざわめきをお楽しみ下さい。
On 16 March 2013, through service from Toyoko line to Subway Fukutoshin line was started. At the same time, elevated platforms closed its 85 years of history. In the midnight on last day(15 March), about half a thousand peoples took a picture of platforms and trains.
Also, series9000 trains were withdrawn from Toyoko line service at the same time. Series9000 is first generation of Japanese inverter controlled EMU. Sound when the series9000 starts and stops is unique. This sound is popular with railway enthusiast.
I recorded the soundscape on elevated platforms at 1 week ago. You can listen announcement, noise from train motors and rail joints, and footsteps of passengers. Also, leaving of former series9000 train was recorded.
In some days ago of recording, the melody before train arrival annoucement was introduced. It was one of commemoration acts of closure. Of course, you can listen the melody in this sound.

【本の紹介】U-Bahn, S-Bahn & Tram in Berlin(ベルリンの地下鉄・近郊電車・市電)

 「Urban Rail in Germany’s capital city」との副題がある通り、ドイツの首都ベルリンにおける、地下鉄(Uバーン)・近郊電車(Sバーン)・市電(トラム)の路線・運行形態・歴史・車両を解説した本です。
 ベルリンと言えば、冷戦時代にはベルリンの壁により隔てられていた、世界にも例を見ない分断都市として有名です。そのため、旧西ベルリンと旧東ベルリンでは、市電の路線の密度が全く違ったりしています。またSバーンには、同時期に西と東で開発された別々の車種が、今は同じ線路の上を走っているといったこともあります。
 一方戦前のベルリンは、欧州有数の産業・文化都市としての繁栄を謳歌したことから、UバーンやSバーンは相当規模の路線網を擁していました。現在でも当時の意匠を残した駅施設を多く目にすることができます。
 このようにベルリンの鉄道にはいろいろ見所があり、書籍も多数発売されてきているのですが、いかんせんほとんどがドイツ語で、日本語話者には敷居の高いものでした。この本はドイツ語・英語の併記になっており、英語テキストの方では難解な言い回しもあまり使われていないので、比較的内容を理解しやすいです。

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