【本の紹介】世界の路面電車ビジュアル図鑑

●世界中を網羅した驚くべきボリューム
まさに圧倒的なボリュームの本です。世界50カ国400以上の都市の路面電車を紹介するという、おそらくは前代未聞と思われる企画で、これを筆者一人で訪問したというのですから驚くほかありません。
日本で紹介される海外の路面電車というと、LRT先進地域というべき西欧や北アメリカか、日本人でも身近な中国などの電車が多いですが、本書はそれらの国々は当然のこと、旧ソ連やトルコ、中東欧など、馴染みの薄い国々の路面電車も扱われています。
ロシアのマイナー都市や、ウクライナ、ブルガリア、カザフスタンなど、和書はもちろんネット上でも情報の少ない国・都市の電車が多数登場しており(流石に北朝鮮は扱われていませんが……)、これだけ情報の入手が容易になった昨今でも、まだまだ知らない電車がこんなにあるのか!と新鮮な気持ちにさせられます。
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【音】デュワグカーの爆走 – ライン・ネッカー交通 デュワグGT8 / [Sound] Rhein-Necker-Verkehr, Duewag GT8

【音】ライン・ネッカー交通 デュワグGT8 5系統 Seckenheim Bahnhof OEG→Edingen Bahnhof
[Sound] Rhein-NEcker-Verkehr, Duewag GT8, Line5 Seckenheim Bahnhof OEG -> Edingen Bahnhof

ハイデルベルク市内を走るデュワグGT8(2009年5月、AdenauerPlatz) A Duewag GT8 at AdenauerPlatz.

ハイデルベルク市内を走るデュワグGT8(2009年5月、AdenauerPlatz)
A Duewag GT8 at AdenauerPlatz.

もっとも一般的な路面電車車両の一つとして西ドイツ全土で見られた、いわゆる「デュワグカー」の走行音です。録音を行ったのは、ドイツ中部のマンハイム~ハイデルベルク間を結ぶインターアーバン路線で、市街地は併用軌道、郊外は専用軌道となっており、専用軌道区間は筑豊電鉄のような雰囲気になっています(筑豊電鉄のような高架・掘割区間は無いですが)。

現在は路面電車型の車両(収録した2009年時点では、デュワグカーのほか、超低床車ヴァリオバーンも投入されていました)が走っていますが、以前は市内電車とは異なる、ステップ付のボギー高床電車が走っていました。
現在のデュワグカーについても、乗車距離が長いせいか市内線用よりもドアが少なく座席の多い仕様(上掲の写真)が投入されており、車種は市内電車と同じなれど、仕様はインターアーバンらしさが感じられるものでした。

お聞きいただくのは、専用軌道区間の走りで、比較的駅間距離も長いところです。
併用軌道区間では路上を静かに走っていたデュワグカーですが、専用軌道に入ると豹変し、モーターをぶんぶん回してけたたましい音とともに爆走しており、本気モードの走りがお楽しみいただけます。

ちなみにドルトムントから広島電鉄に譲渡されたのもこのGT8型デュワグカー(広島電鉄70型)ですが、大半のGT8が直角カルダン駆動なのに対し、あちらは吊り掛け駆動となっており、この車両とは走行音はおそらく異なっていたものと思います。

I recorded the sound of DUEWAG GT8 on RNV line 5.
As you know, DUEWAG GT8 is typical high-floor tramcar in former West Germany.
RNV line 5 is interurban tram with Mannheim – Heidelberg – Weinheim – Mannheim circular route.
I recorded in Seckenheim Bahnhof OEG -> Edingen Bahnhof. This is suburb between Mannheim and Heidelberg. The track is separated from road traffic. Trams can run high speed with shrill sound from motor in this section.