【車両紹介】プラハ市電の電車たちPart2- タトラT6A5 / Rolling stock of Prague tram Part2 – Tatra T6A5

5系統で走るタトラT6A5。Tusarovaにて / Tatra T6A5 at Tusarova

5系統で走るタトラT6A5。Tusarovaにて / Tatra T6A5 at Tusarova


タトラT6A5は、1991年から1998年まで製造された車両です。うちプラハ向けには1995年から1997年まで導入されました。すでに東欧革命を経て共産主義政権が倒れた後の導入ですが、共産主義諸国の標準車として有名なタトラカーの系譜をそのまま引き継ぐスタイルとなっています。

T6A5はプラハのほか、チェコのブルノ、オストラヴァ、スロバキアのブラティスラヴァ、コシツェに導入されており、総勢約300両が製造されています。
いわゆる角タトラの世代では他に旧ソ連向けのタトラT6B5(約1100両)、東ドイツ向けのT6A2(約350両)などがありますが、先代のタトラT3(いわゆる丸タトラ)グループの約14000両という製造両数に比べると比較的少数派です。

プラハには148両が在籍(2011年末時点)しており日本的感覚では相当な数ということになりますが、なにしろプラハ市電全体では972両も在籍していますので、私がプラハを訪問した際も相対的に存在感は小さめでした。

車体はタトラT3と同じく一般的な4軸ボギー車で、全長も約15mと日本人にもなじみのあるサイズです。
3扉車という点もタトラT3と同じですが、タトラT3が4枚折戸を装備するのに対しこちらはスイング扉となっています。他都市のタトラT6A5は4枚折り戸になっているものもありますが、プラハでは見かけたT6A5の全てがスイング扉でした。これが納入時からそうなっているのか、後天的な改造によるものなのかは不明です。
制御方式はサイリスタ制御で、モーターは45kW×4機を装備しています。以前の記事でもご紹介したとおり、日本のサイリスタ制御車にはない、極めて珍妙な走行音を発します。車内は1+2配置の前向きシートが並んでおり、私が乗車した範囲ではすべての車両で自動放送も流れていました。