【旅行記】ビーミッシュミュージアム訪問記 2017年8月(Part 2) / Visit in Beamish Museum (Part 2)

●展望車が走る鉄道線
ビーミッシュタウンの外れには、ここにもまた線路が敷かれています。こちらは先ほどのロコモーション号からはだいぶ時代が下って、ビーミッシュタウンとだいたい同じくらいの時代設定のようです。機関車もストラクチャーも「きかんしゃトーマス」で見たようなものになり、とっつきやすい風景です。

良い雰囲気の駅構内。

腕木式信号機、側線、機関庫、留置された貨車……良い雰囲気の駅構内。

ここでも例に漏れず、単に昔の機関車が走っているだけでなく、信号扱所の建物に駅舎に腕木式信号機に留置された貨車にと、周辺の光景まで含めて保存されています。それどころか線路脇の野立て看板までそれらしいものになっているのには脱帽です。

信号扱所の脇を走る列車。

信号扱所の脇を走る列車。

 

野立て看板までかつての英国風。

野立て看板までかつての英国風。

緑のタンク機が牽引している客車は1両だけなのがちょっと寂しいですが、ニス塗りの外販が輝くピカピカの木造車で、車端には大きな窓とソファを備えた展望車(といっても、これは事業用車として利用するために後天的に改造したもののよう)になっており存在感はなかなかですから、悪くない印象です。
が、残念ながらちょうど遅めのお昼休みに入ったところらしく次の発車は1時間後の14時。その間に路面電車にもうちょっと乗ってみることにします。

昼休みのため側線へと入換する列車。

昼休みのため側線へと入換する列車。

●ポルトガル出身の英国紳士
こんどは水色とクリーム色に塗り分けられたシングルデッカーの単車、196号がやってきました。爽やかな色合いとこぢんまりしたスタイルが好印象の電車ですが、どうも全体的な雰囲気はイギリスらしくないような気も。

ポルトガル出身の196号。

ポルトガル出身の196号。

車内を見ると「Oporto」(日本で言うポルトのこと)と表記されたプレートがありました、寒色系の色合いと英国風の車外広告看板でイギリス紳士然とした顔をしていますが、ポルトガル出身だったわけです。
ビーミッシュタウンから3/4週した、車庫のあるHome farm電停で車掌さんが交代します。これまではきりっと制服を着こなした女性の車掌さんだったのですが、こんどは陽気そうな雰囲気のオジサン車掌が乗り込みます。この車掌さん、とても声が大きく、その大きな声で「まもなく、オールドポッタリーホール・アーーーーンド・ワゴンウェイッ!」などとアナウンスして乗客を笑わせています。

●蒸気機関車かアイスクリームか……
電車に乗って録音しつつしばらく時間をつぶし、再びビーミッシュタウンに戻ってきました。さていよいよ蒸機列車に乗るかと思って駅に向かいかけると、アイス屋さんを見つけた子供から「アイス食べたい!」の声。アイス食べて蒸機に乗ると帰りのバスの時間が気になりますが主張が強硬なため、私が折れて蒸機に乗る時間はアイスを食べる時間に変更します。

結局乗れませんでした……。

結局乗れませんでした……。

我が子、食いしん坊ですが蒸気機関車好きでもあるのですけれども、煙より団子ということのようです。父としては残念です……。
もっとも、食べながら道行く路面電車を撮影していたら、たまたま馬車と電車が同時に通りかかり、電車と馬車の並走を撮れましたからそれはそれで運が良いとも言えます。

馬車と並走する路面電車。写真の114号はニューカッスル出身、のちにシェフィールドへ渡ってビーミッシュへ。

馬車と並走する路面電車。写真の114号はニューカッスル出身、のちにシェフィールドへ渡ってビーミッシュへ。

ちなみにアイスクリームはクリーミーで良い味でした。今回の英国滞在では、ここに限らずあちこちでアイスのお店や移動販売車が出ていて、英国の人々は結構アイスクリーム好きなのかもしれません。

●車庫で受けたとびきりの親切
最後に電車好きとしては車庫は見ておかなければと思い、エントランスへ戻る途中のHome farm電停で電車を降りて、車庫に立ち寄ります。

検査中の26号。ニューカッスルの隣町ゲーツヘッドで生まれ、のちにイングランド東部の港町グリムズビーのインターアーバンで働いていた経歴の持ち主。

検査中の26号。ニューカッスルの隣町ゲーツヘッドで生まれ、のちにイングランド東部の港町グリムズビーのインターアーバンで働いていた経歴の持ち主。

 

バスも車庫を共用しています。これは元ロザラム市内バスのダイムラーCVG6。

バスも車庫を共用しています。これは元ロザラム市内バスのダイムラーCVG6。

さすがに建屋内は立入禁止ですが、扉は開放されていて外からなら見放題です。
庫内で検査中なのは、イングランド北海沿岸の港町イミンガムから来た26号で、渋い緑色の塗装がこぢんまりしたボディに似合っています。奥の方には無蓋の荷電の姿が見え、凄く気になるのですがバスに阻まれて残念。

この無蓋電車の正体は?

この無蓋電車の正体は?

子供と一緒になって写真を撮っていると、奥から作業服姿のおじさんが現れて、こっちへおいでと手招きしてくれます。
嬉しいことに、庫内に止まっていた二階建てバスの運転席に子供を座らせてくれました。子供は満面の笑みでハンドルを握っています。帰国してからも何度も「バスの運転席に座らせてくれたね」と思い出を語っていましたから、よほど嬉しかったようです。

このバスに乗せてくれました!

このバスに乗せてくれました!

おじさんにお礼を言って、あとは歩いてエントランスからバス停へ。行きと同じくChester-le-streetへ戻りました。

何年も前から一度行ってみたいと思っていた博物館でしたが、期待に違わず素晴らしい場所でした。どんな物も生きています。農場には山羊がいるし、お店は物を売るし、電車や機関車やバスは走ります。
残念だったのは全てを見切れなかったどころか、鉄道・バス関係ですら見逃したものがあることで、交通関係だけでも1日半、全てをつぶさに見るなら一週間くらいかかりそうな盛り沢山の博物館でした。

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