Part3では、事業用車をご紹介します。中には大変珍しいというか、おかしな車両もあり、ひときわ興味深いものでした。
まずは電気機関車の4072から。1952年製の車両で、モーター出力は2×88.3kWと控えめなものです(まあ路面電車車両の入換用なら十分でしょうが)。Rustonkaの車両工場で使われていました。こういうのも編成で展示してくれているのは嬉しいですね。
電動貨車の4053は1917年から1963年まで使われていました。引きが取れていないので殆ど写っていませんが、後に無蓋車やダンプトロリーを4両従えた5両編成で保存されています。
これだけだと何に使うのか見当が付きにくい(特に集電装置の存在意義が理解不能)ですが、これは散水車のタンク体部分です。タンク体のみ車庫で使われて残っていたため、このような形で保存されています。当然小さな車輪は展示用。
これまた用途がわかりにくい車両ですが、これは切符販売窓口車です。馬車鉄道時代の客車の台枠などを利用して作られました。
こちら側から見ると、窓口が並んでいるのが分かります。窓口の混雑が予想される場合にこの車両で定期券などを売ったそうで、1928年から使われました。
窓口部分のアップ。確かに切符売り場の構造をしてはいますが、やはりレールの上を走れるというのはいかにも珍妙です。どこか適当な側線に留置して使ったのでしょうが、「適当な側線」がそう都合の良い場所にあったものなのかも謎です。
5101号は所謂「移動変電車」です。第二次大戦後の日本にも、高度成長期に移動変電車がありましたが、こちらは1930年の登場で、催事輸送などの際に使われました。それにしても、よくこんな車両まで残してあるものです。
最後は別棟に保管されていたレール研磨車(グラインダー)です。1966年に登場しました。別棟は残念ながら立ち入り禁止で、このような写真しか撮影できませんでした。それにしてもこの小さく丸っこいスタイル、大変魅力的ですね。
つづく