ベルリン市電の一時代を代表した車両、タトラKT4Dの走行音です。
タトラKT4Dは、共産主義諸国に広く供給されたタトラカーの一族で、形式の末尾Dは東ドイツ向けを表します。最初に導入されたのはポツダム(1974年)で、ベルリンでは1976年から走り始め、500編成以上が導入されました。
他の共産主義諸国の都市では、1960年代からタトラT3(いわゆる「丸タトラ」)の導入が始まっていたのに対し、ベルリンでは四輪単車が主流で、おそらくタトラKT4Dの登場は革命的なものだったのではないでしょうか。
1990年の東西ドイツ統一以降、各都市ではタトラカーのリニューアルが進みましたが、ベルリンもその例に漏れず内装、足回りの改造を受けた車両が多くなっています。
ここでお聞きいただけるのは足回り改造後の車両で、チョッパ制御の「プー」という動作音と、「ムォーン」という独特のモーター音を発します。「トラムのひびき」サイト内ではポツダムのKT4Dの走行音を公開していますが、改造のメニューは都市によって異なることから、それとはまた異なった音になっています。収録はベルリン東部の郊外を走る61系統で行い、そのうち5分ほどの区間の録音です。
一時は一大勢力を誇ったKT4Dですが、いかに近代化改造を受けているとはいえ、高床であるというデメリットは如何ともしがたく、近年は置き換えが加速しています。2011年から、新型車「フレキシティ・ベルリン」の量産車投入(試作車投入は2008年)が始まっており、2017年までにKT4Dは営業運転から引退する予定になっています。
I recorded the sound of Tatra KT4D in Berlin. The car was modernised propulsion system. The sound from under the floor was different from original.
This sound was recorded from Bellvuestraße to Bahnhofstraße/Lindenstraße on route 61.