1500系「ヴェントット」の台車
(Bassini Golgi)
Track of "Ventotto".
Taken at Bassini Golgi stop.
ミラノ市電の総延長は実に160km。ミラノの街を歩いていると、そこら中で線路を見かけ、至る所に平面交差やターミナルがあります。スカラ座、ドゥオモ、中央駅など、街の顔ともいえる有名な場所にも、しっかり市電が顔を出しており、各所で印象的な光景が展開しています。
ミラノ市電で最も路面電車ファンをひきつけるのは、シチュエーションもさることながら、何といっても車両でしょう。製造初年1928年の「ヴェントット」(あるいは設計者の名をとって「ピーターウィット」とも)は、路面電車としては世界的にきわめて有名なもののひとつです。
車体をぐるりと囲む特大の窓に、スピード感を感じさせる5面折妻の前面といったスマートな要素と、リベットだらけで直線的ラインのボディという無骨な要素が相まって、非常に魅力的な車両となっています。
一方で、超低床電車も多数投入されており、車齢差が70年以上にもなる「ユーロトラム」「シリオ」と「ヴェントット」が日常的に顔を合わせているのも魅力的な光景です。
Tram in Milano has 160km network. Tram tracks are in everywhere of downtown. Of course, we can see the tram with famous landmarks: La Scala, Duomo, Stazione Centrale and more. Tram in Milano's specialty is series1500 "Ventotto" since 1928. Large windows, front style and traditional wooden interior is attractive to railway enthusiast.
On the other hand, many modern low-floor trams are introduced. We can often see a meeting of modern and traditional tram together.
23系統で走る「ヴェントット」
(Bassini Golgi)
"Ventotto" on line 23.
Taken at Bassini Golgi.
【走行音】1500系「ヴェントット」 23系統 Fontana→Lambrate FS
Series1500 "Ventotto", Line23 Fontana -> Lambrate FS
Line23 originate Fontana near Duomo, terminate FS Lamblate station. It's connect between central and west of downtown.
有名な「ヴェントット」の走行音です。トラディショナルな車体に似つかわしい、吊り掛けモーターの音と古風なコンプレッサーの作動音がお聞きになれます。
収録した23系統は、ミラノ随一の観光名所であるドゥオモ(大聖堂)の裏手、Fontanaの広場から出発し、途中ではレオナルド・ダ・ヴィンチ記念国立科学技術博物館の前を通り、市街西方にあるFSと地下鉄の乗り換え駅、Lambrate駅までを結ぶ路線です。観光客には全く無縁の路線、というわけでもなさそうですが、乗客は地元客が大半でした。
欧州の鉄道では、旧型車両だと車内放送がない場合がままありますが、ミラノの市電には基本的に車内放送があり、本録音でもイタリア語による車内放送をお楽しみいただけます。とはいえ、ときどき車内放送の無いままに次の電停に着いてしまったり、ずれていたりするのはお国柄でしょうか。本録音でも、ときおり放送のないままに一区間走ってしまうことがあります。それもまたイタリアらしさと捉えて、音風景をお楽しみください。