ストックホルム

 北欧最大の都市、そして水の都であるストックホルムは、充実した公共交通網を持つ都市でもあります。
地下鉄は3路線で総延長約100km、バスは約450路線で、なかには優先信号・接近表示を完備した基幹バス路線もあり、人口100万弱の都市としては非常に便利です。
しかし意外なことに、ヨーロッパの多くの都市にある大規模な路面電車ネットワークは、ストックホルムには見られません。1967年に道路を左側通行から右側通行へ切り替えた際に、郊外の一部路線(大部分が専用軌道)を除いて廃止されたのです。
しかし近年の路面電車復権の流れは、ストックホルムにも二つの新たな路線をもたらしました。一つは、ストックホルムの郊外を走る半環状のLRTで、2000年に開業したものです。環境への意識が高いというイメージのあるスウェーデンですが、それでも当初は住民の過半数が建設反対だったといいます。しかし行政と住民がコミュニケーションを重ね、最終的に多くの住民が賛成派に転じたという点は特筆すべきものでしょう。
もう一つは、野外民俗博物館のあるユールゴーデン島と、市内中心部とを結ぶ約3kmの路面電車路線です。1990年に旧型車の保存路線として開業した路線ですが、2010年からは超低床車を投入して終日の運行を開始するとともに、地下鉄路線が集まるT-Centralen(T-セントラレン)駅まで延伸して、中心部に都市交通としての路面電車の姿が戻ってきました。

Stockholm, the largest city in Scandinavia, is confortable city with water and green.
Stockholm has high quality public transport network; 100km long metro, 450 bus lines with some BRT-like trunk lines.
However, Stockholm doesn't have large network of tram or light rail. Tramways in inner city are closed by 1967. Only some light rail lines in surburb remained.
In 2000s, Stockholm city revived tramway and light rail; Two new lines opened.
One of lines is Tvärbanan. This is LRT with semi circle line in surburban area.
One of lines is Spårväg City line. This is tramway between downtown and Skansen. By opening of this line, tramway revives in downtown.





郊外の電停。上屋のデザインも
照明も質が高い。(Sickla Kaj)

A FLEXITY Swift at
Sickla Kaj stop.

走行音【走行音】フレキシティ・スウィフト Tvärbanan Sickla udde(シックラ・ウッデ)→Alvik(アルヴィク)

FLEXITY Swift, Tvärbanan Sickla udde -> Alvik
Tvärbanan is modern LRT line with low-floor LRV. As of 2011, all trains were operated by 31 Bombardier Flexity Swifts.

Jan.2011
ストックホルム南部の郊外を走るLRT、Tvärbananにおいて、ボンバルディア製のフレキシティ・スウィフトを録音しました。
インバータ制御の静かな走行音ですが、大部分が専用軌道であり、また併用軌道(終点手前の3停留所分のみ)でも車道と分離した走行帯が確保されているため、スムーズにスピードの上がっていく走行音をお聞きいただけます。
車内放送は、冒頭の軽快なメロディが特徴で、地下鉄の放送でも使われており、ストックホルムではおなじみの音になっています。



まちのひびき



Österskärを発車する
Roslagsbananの電車

A Roslagsbanan train
depertures Österskär.


ターミナルStockholm Östra駅。
4面6線の頭端式ターミナル
である。左の低いホームは
構外の路面と同じ高さで、
併用軌道で市内へ
乗り入れていた名残。

Stockholm Östra station,
the terminal of Roslagsbanan train.

走行音X10p型 Roslagsbanan Österskär―(快速)→Stockholm Östra

Type X10p, Roslagsbanan Österskär -> Stockholm Östra
Roslagsbanan is commuter railway in northern suburb of Stockholm. This is only one of 891mm gauge railway. Gauge of Roslagsbanan is narrow, but so modernized as urban commuter rail. Österskär - Stockholm line is one of 3 Roslagabanan lines. Part of Österskär - Stockholm trains skip some stations.

Jan. 2011
 ストックホルム北郊を走るナローゲージ鉄道、ロスラグスバナンは、世界で唯一の891mmゲージ鉄道です。1000mmゲージ未満のナローゲージ鉄道といえば、田舎をゆっくり走るものというのが世界共通の傾向ですが、この鉄道は都市鉄道として徹底的な近代化が図られており、VVVF車の3~6連が複線電化の線路を最高80km/hで飛ばし、快速運転もあるなど異色の存在になっています。
 収録当時、車両は1988~1995年製のX10p型(制御電動車)・UBX型(付随車)・UBXp型(制御車)の3連(ラッシュ時は2本併結)で統一されており、車体はオーソドックスな格好ですが、下周りはインバータ制御ながら吊り掛け駆動という珍しい(欧州では他にも例がなくはないですが、やはり少数派)車両になっています。
 収録はÖsterskär~Stockholm Östra間の系統で行いました。この系統はほぼ終日にわたって毎時2~3本が快速運転を行っており、この録音でもナローゲージ鉄道とは思えない快走を見せています。もちろん、吊り掛けVVVFの独特な起動時の音も聴きどころです。なお車内放送は肉声ですが、ボリュームが小さいため残念ながら聞き取りにくくなってしまっています。
 

本頁トップ画像:島から島へと高い鉄橋を渡るTvärbanan。島と海が入り組んだ地形のストックホルムでは、橋を渡る度に絶景が望める。(Stora essingen - ストラ・エッシンゲン)

Image on top : Tvärbanan LRV crosses a high bridge. Taken at Stora Essingen