プラハ


国民劇場前を走るタトラT3。
部分低床車に改造され、塗装
も変えられている。
(Národní divadlo)

Low-floored Tatra T3 at Národní
divadlo(National theatre).

  プラハは、中世の面影を色濃く残す美しい街です。 街の一部に古い家並みが残る街は欧州に数多くありますが、第二次大戦で大きな被害のなかったプラハは、市街地全体に古い街並みが残り、 どこを歩いてもすべて美しいといっても過言ではない、稀有な都市です。
 プラハの路面電車は総延長142kmある大規模なネットワークで、中心部にも郊外にも、あちらこちらに線路が敷かれています。 プラハ城、カレル橋、マラー・ストラナなどの観光地も結んでおり、便利であるのはもちろんですが、美しい石造りの家並みを走り抜け、 ブルタヴァ(モルダウ)川とプラハ城をバックに進んでゆく路面電車は、たいへん絵になるものでもあります。
 プラハのあるチェコは、共産諸国の標準型路面電車ともいうべきタトラカーの総本山といえ、 チェコで生産された電車が東欧諸国やソ連などへ輸出されていました。 プラハでも多数のタトラカーが市内を闊歩しており、特にタトラT3の丸みのある車体はそれなりに市内の景観に似合ってもいました。
 しかし1989年の民主化を経て、西欧との格差を急速にキャッチアップしてきた経済発展の波は、市電の車両にもおよび、 いまや多数の超低床車が投入されています。
 廃車となったタトラカーはウクライナなどへ売却される一方で、残った車両に対しては手が入れられているものも多く、 多数のバリエーションがある近代化改造車や、いささかゲテモノ感のある部分低床化改造車を生み出してもいます。 シーズン中の週末には、戦前製の旧型電車が定期運転を行っており、新型超低床車とのすれ違いは対比が面白く、 また古い町並みとの取り合わせは時代を忘れそうなシーンが展開しています。

Praha(Prague) is very beautiful city. Due to Praha wasn't destroyed by World War II, there are many classic buildings and castle in Praha. It's not too much to say that whole of city is beautiful.
Tram in Praha has 140km-long tram lines. tram connects between central business district and surburban residencial districts. Also, most tourist spots - Pražský hrad(Prague castle), Karlův most(Charles Bridge), Malá Strana and more - are connected by tram. The scenes with trams and traditional buildings are very picturesque.
In Czech, many Tatra trams was made and exported to Communist countries. Off course, many Tatra trams are used in Praha. Now, tram rolling stock is being modenized. Many low-floor cars are operated since 2007, and a part of Tatra trams are refurbished.





マラー・ストラナ地区を
走るタトラT3。
(Malostranské náměstí
~Hellichova)

Tatra T3 at Malá
Strana district.
Taken between Malostranské
náměstí and Hellichova.

走行音【走行音】タ トラT3 20系統 Smíchovské nádraží(スミホフスケー・ナードラジー:スミホフ駅)→Podbaba(ポドババ)

Tatra T3, Line20 Smíchovské nádraží -> Podbaba
Line20 runs in west side of Vitava river. As of 2008, line 20 was operated betweenSmíchovské nádraží and Podbaba. Today, line 20 is operated in differnt route.


Sep. 2009
実に1万両以上という膨大な量数が生産され、チェコをはじめ東ドイツ、ソ連、ルーマニア、ユーゴスラビアなど旧共産圏の国々で広く使われた、 タトラT3の録音です。PCCカーの流れを汲み、高加減速を実現する高性能な下周りと、共産主義国らしい質素な車内の組み合わせが特徴でしたが、共産主義政権の崩壊以降 は、 多くの都市で電機品の更新や車内のリニューアルを受けた車両が多くなっています。
プラハのT3もその例にもれず、2008年の訪問時点でも未更新車より何らかの更新を受けた車両の方が多くなっていました。 録音した20系統は、ブルタヴァ川の東岸を南北に走る路線で、途中ではマラー・ストラナ地区の真ん中を通り、プラハ城もかすめていくなどすることから、観光客の姿も多く見 かける路線でした。 現在は、起終点が変更されています。
車内放送は停留所の到着時に流れ、現在地の停留所名と、その次の停留所名(「シースティーナスターフカー、どこそこ」と言っている部分)を放送する、やや変 わった方式です。 収録時は線路工事のため迂回運行が行われており、経由しない停留所名と代替バスの系統番号を案内する、やや長めの放送も入っています。




91系統として運行される349号。
(Brusnice)

No.349 on line 91.
Taken at Brusnice.

走行音【走行音】349号 91系統 Výstaviště(ヴィスタヴィシチェ)→Vozovna Střešovice(ヴォゾヴナ・ストレショヴィッツェ)

No.349, Line91 Výstaviště -> Vozovna Střešovice
Line91 is heritage tram line, operated at weekends without winter. No.349 was made in 1915.

2009. Sep
 旧型電車の保存運転を定期的に行っているのが91系統です。欧州は日本に比べると概して旧型車の保存に熱心ですが、プラハでも首都のど真ん中の営業線で、毎週末(冬季除く)という高頻度で定期運行しています。
 録音した349号は1915年製で、木がふんだんに使われたクラシックな車内が魅力的であるとともに、電制と手ブレーキだけの昔ながらの制動方式がその まま使われているのも、日本人の目から見ると貴重です。録音でも、減速時にも吊り掛けモーターの音が聞こえ、停止寸前に手ブレーキを操作する「ガガガ」と いう音が入っています。一方、エア音は全く入っておらず、日本の電車では今や聞くことのできなくなった、昔ながらの音になっています。
 車掌も乗務しており、発車合図の「チンチン」という音も聞かれます。後方のトレーラーにも車掌がいることから、トレーラーの車体に取り付けられた鐘から の合図も、小さい音量ながら聞こえるところもあります。加えてフートゴングも装備しており、停車中も走行中も「チンチン」と頻繁に聞こえる、まさにチンチ ン電車といえる音が録れました。



本頁トップ画像:ブルタヴァ川を渡るタトラT3。背景はプラハ城。(Staroměstská)

Image on top : Tatra T3 across Vlatava river. Background is Prague Castle. Taken at Staroměstská