香港


高層マンションに囲まれた
ターミナル(天逸)

LRT terminal in
residencial district. Taken at Tin Yat.


住宅街の支線を
走る軽鉄(友愛)

LRT runs on dranch
line. Taken at Yau Oi.

  路上を埋め尽くす二階建てバス、人であふれかえる地下鉄、世界的に有名な二階建て路面電車、局地的ながら細密きわまるネットワークを持つLRT(軽鐵)――香港は、世界でも有数の公共交通王国といえるでしょう。
 2010年のデータでは、香港市民の実に9割までが、外出で公共交通機関を利用するといいます。欧米はもちろん日本でも、これほどまでの割合となっている都市はありません。
 香港の交通機関において、量の面で注目すべきはバスの多さで、香港中のあらゆる場所へ直通できる密度の高いネットワークを持ち、路上を走る車の半数以上がバスという状態すら頻繁に見かけます。
 一方、質の面で注目すべきはLRTや地下鉄といえましょう。LRTはニュータウンと一体で計画され、幹線道路沿いを高速で飛ばす区間があるかと思えば、単線で住宅街の路地へ入り込むようなルートもあります。アジアでは珍しい信用乗車方式を採用し、立体交差が多いことも相まって、スピーディーな運行が実現されています。地下鉄は計画的によく考えられた設計で、多くの路線が同一ホーム上で乗り換えでき、乗り換えのしやすさでは東京や大阪のそれとは雲泥の差があります。一部路線では最高速度130km/h運転も行われており、都市鉄道としては速達性も悪くありません。
 質量いずれの面でも、香港の充実度は世界的にも群を抜いており、都市交通に興味のある者にとって、極めて楽しい都市といえるでしょう。

Hong Kong is the unique city. There are many skyscrapers in narrow land. Due to high population dencity, public transport network is great and privte car ownership is very few. 90% of citizens uses public transport when going out.
In Hong Kong, there are two tram network. One is tramway in Hong Kong Island with double-deck cars. It's one of most famous tramways in the world. Another one is LRT in the new town at western Hong Kong. LRT tracks were planned with urban planning. LRT runs most district of new town, runs not only on broad streets but also on narrow ways, on elevated tracks and under a buildings. Two tramways forms the part of great public transport network.
On the other hand, metro, surburban rail, and bus services are provided in all over Hong Kong. Especially, bus network is extended to anywhere. Operation frequency of all public transport is short. In Hong Kong, all passengers can move to all district by public transport with nice service.





1064と同型のComeng製
車両(屯門碼頭)

Comeng LRT car at
Tuen Mun Ferry Pier.

走行音【走行音】1064号 615P系統 屯門碼頭(屯門埠頭)→兆康

No.1064, Line615P Tuen Mun Ferry Pier -> Siu Hong
No.1047 is the first generation of LRT rolling stock. First generation cars were made in 1988 by Comeng in Australia. The cars has GTO-thyristor chopper control system. All LRT cars are 20m long(nevertheless it's not articulated car), single-deck. It has stainless-steel body with powerfull air-conditioner. LRT roling stock is so different from double-deck tram in downtown.

Dec. 2009
LRT(軽鉄)路線網の南端にして最大のターミナルである屯門碼頭から、都心へ向かう地下鉄(西鐵線)との乗換駅兆康まで、ニュータウンを南北に結ぶ系統の録音です。615系統は路線網最東端の元朗まで走るのに対し、615P系統はその区間便となっています。
録音した1064号は、1988年から投入されたComeng社(オーストラリア)製のチョッパ制御車で、軽鉄の車両では最初期のグループです。ステンレス製の車体と強力な冷房装置という、高温多湿な現地事情に適応した設計である一方、フートゴングやウインカーを装備するなど、欧州の電車の影響も見られ、西洋と東洋の電車の特徴を併せ持つものになっています。
車内放送も、当然のごとく広東語と英語の両方で行われており、次駅名のみならず「ドアにご注意」「手すりにしっかりおつかまりください」など、あらゆる放送が二カ国語で行われているのも、香港らしいところです。


まちのひびき



MLR型電車(大學付近)

Type MLR train.

Taken near University station.

走行音【走行音】MLR型 東鐵線 落馬州→紅磡

Type MLR, East Rail Line Lok Ma Chau -> Hung Hom
East rail line connects from dowontown to border of Hong Kong and China mainland. As of 2009, this line was operated by type MLR and SP1900. Type MLR is first generation EMU for commuter train service, made in 1980-1989 by British "Metro Cammell". Type MLR has nose-suspention drive. As of 1980s, it's not strange in Europe. But it's strange as an Asian EMU.

Dec. 2009
 東鐵線の釣り掛け電車、MLR型を録音しました。日本では釣り掛け電車といえばすっかり過去のものになりつつありますが、欧州では日本よりかなり後まで釣り掛け電車の製造が行われ(VVVF釣り掛け車というものもあります)ていました。このMLR型は1980-1989年にイギリス・メトロキャメルで製造されたもので、日本の感覚では新しさの割に奇異に感じる駆動方式も、イギリスでは別に変わったことではないのでしょう。
落馬州から最初の一駅は最高速度120km/hで運行されており、釣り掛け車と言えばスピードの出ないイメージのある日本の感覚では驚きますが、欧州では高速運転する釣り掛け電車は多数あり、その延長線上にあると考えれば驚くには当たらないことなのでしょう。
収録を行った東鐵線は、もとはといえば中国本土の広州と香港を結ぶ路線で、香港内では1982年から電化の上近郊電車の運行が始まりました。長距離列車が運行される一方で、23m級12連の電車が数分間隔で往来するという、重通勤路線にもなっています。
 


本頁トップ画像:急カーブのデルタ線を曲がる軽鉄の電車。(屯門)

Image on top : LRT train goes around curve of delta track. Taken at Tuen Mun station.