【本の紹介】路面電車発展史(大賀寿郎著)

●他書にない内容が盛りだくさん
鉄道趣味誌ではあまり名前を見かけない著者、鉄道書の実績が決して多いとは言えない出版社から出る本と言うことで、正直なところ名前に見合った内容になっているのか不安に思いながらの購入だったのですが、不安は否定されました。
従来の鉄道書では詳細な技術や価値について語られる機会の少なかった、PCCカーとタトラカーを軸に、日本の路面電車との関係も記載した本で、他の本にない内容が盛りだくさんです。
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【更新案内】都電8500型の走行音を追加しました / [Update Imformation] Sound of Tokyo metropolitan transport bureau’s type 8500 was added.

三ノ輪橋を発車する8500型

三ノ輪橋を発車する8500型


「トラムのひびき」サイトの都電のページに、8500型の走行音を追加しました。
2014年に録音しておいたものです。現在は制御装置の交換により走行音は8800型とほぼ同じになっていますが、この録音は制御装置交換前の走行音です。他都市の車両ではあまり聞かれない独特の走行音がお楽しみ頂けます。
是非お聞き下さい。

I updated “Tram-no-hibiki”. I added the sound of type 8500 of Toden (Tram in Tokyo) Arakawa line.

【音】東武スカイツリーライン 下り快速列車車内放送 / [Sound] Announcemant in northbound rapid service train of Tobu railway.

快速 浅草発東武日光・会津田島行き車内放送 北千住発車後 /
Announcement in rapid service train ftom Asakura to Tobu Nikko & Aizu-Tajima

春日部駅に停車中の快速列車 / A rapid service train at Kasukabe station.

春日部駅に停車中の快速列車 / A rapid service train at Kasukabe station.

在来線長距離輸送華やかなりし時代の面影を残す貴重な列車として、ファンの注目を浴びる東武日光線快速列車の車内放送を収録しました。
収録したのは浅草を7:10に出る東武日光・会津田島行きで、北千住を発車後に行われていたアナウンスです。
放送は種別・行先から始まり、その後は停車駅と列車分割の案内を行った後、主要駅の到着時刻の案内が延々と続きます。
この放送の長さは実に4分半におよび、スピーカーからは日光、川治温泉、会津と言った遠隔地の駅名が次々流れて、落ち着いた口調と相まって実に旅情を誘うものになっています。

Rapid service train on Tobu Skytree line & Nikko line is popular from railway enthusiast. Because it’s very like a old-fasioned Japanese intercity train.
I recorded the announcement of the rapid service train from Asakusa to Tobu-Nikko and Aizu-Tajima. After leaving Kita-Senju, long announcement was started. Destinations, stops, arrival time, and train composition was announced by conductor.

【本の紹介】Transit Maps of the World

その名の通り、世界中の路線図を集めた本です。対象としては地下鉄路線図が主で、地下鉄を有する世界のありとあらゆる都市の路線図が一冊に集められています。また一般的な地下鉄でなくても、一部に地下鉄っぽい区間がある路線――ドイツ各地のシュタットバーンや、広島のアストラムラインなど――も取り上げられています。

本書の構成は5章に分かれており、基本的には路線網の大きな都市から小さい都市へという流れです。とはいえ、単純に路線網の大きい順かというとそうでもなく、例えば最初の章ではベルリン、シカゴ、ロンドン、マドリード、モスクワ、ニューヨーク、パリ、東京が取り上げられており、大規模路線網を持ちつつも歴史の浅いソウル、メキシコシティなどは後ろの章へ回っています。つまり、路線網が大きくて、かつ歴史の長い都市のほうが取り上げるべきネタがいろいろあって面白いから、最初の方に持ってきたということなのでしょう。

事実、これらの都市の路線図は興味深いものが多数掲載されています。例えばベルリンでは東西分断時代の路線図が掲載されており、西ベルリン発行の路線図では東側の路線も描かれているのに、東ベルリン発行の路線図では西ベルリンの路線は完全に無視されていることがあったりします。またモスクワの路線図では、古い時代の路線図では実際の路線の形状にある程度忠実に描いていて、地上のランドマークも載っていたりしたのに、ある時代を境目に突然単純化され、環状線は真円で、放射線はほぼ直線で描かれるようになるなど、極端なまでの変化を起こしていたりします。
ロンドンの頁では、現代的路線図の元祖として有名なハリー・ベック作成の路線図が掲載されているのはもちろんのこと、その原案となったスケッチまでも収録されています。
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【本の紹介】地域再生の戦略(宇都宮浄人著)


公共交通の復権について多くの著作を持つ、宇都宮氏の新刊です。
本書の主旨は、これまでの宇都宮氏の著作と同じです。すなわち、「公共交通は単独の事業採算性だけで価値を判断すべきではない。赤字になりそうな路線は作らない、今赤字の路線は廃止する、でいいのか。それは日本の都市をダメにしているのではないか」ということです。
この問いかけは宇都宮氏の多くの著作の中で一貫して投げかけられていますが、本書ではそれについての解答にヒントとなりうる事実について、最新の情報を紹介しています。
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【写真】富山地鉄 ちてつ電車フェスティバル2014前夜祭レポート Part2

Part1からの続きです。

地鉄ホテル屋上での撮影後、小休止ののち電鉄富山駅の改札前に移動します。
今後の行程を説明されますが、そこで担当者氏の口から出てきたのは「明日のイベントで展示するため、軌道線の電車を南富山から稲荷町まで回送します。これからそれを撮影します」という驚きの言葉。
最初に渡された行程表にもなかったサプライズに、参加者からは一様に「おぉ~」という声が漏れます。
「稲荷町~南富山間のお好きなところで撮影をどうぞ。撮影地が分からない方は大泉がお勧めです」とのことで、もちろん私は「撮影地が分からない方」ですから大泉へ向かうことにします。

大泉で降りてみると、線路沿いに道があって柵もなく、これは確かに撮りやすいです。構えて数分で近くの踏切が鳴り出し、列車がやってきました。先頭に立つのはどう考えても保線用モーターカーにしか見えないDL-12ですが、鉄道車両としての車籍を持っているので堂々と昼間に本線上を走れるわけですね。

DL-12に牽引されるデ7000型。

DL-12に牽引されるデ7000型。

撮影を終えて、次の電鉄富山行き電車で一同は稲荷町に移動、いよいよ次は夜間撮影会です。
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【写真】富山地鉄 ちてつ電車フェスティバル2014前夜祭レポート Part1

去る2014年11月1日、富山地方鉄道(富山地鉄)で鉄道ファン向けに「ちてつ電車フェスティバル前夜祭イベント」が開催されました。今回そのイベントに参加して、鉄道ファン向けの濃い演出が盛りだくさんの中身を堪能してきましたので、皆様にお伝えしようと思います。

当日の13:50、電鉄富山駅の改札前にて受付し行程表を受け取った後、参加者一行は地鉄ホテル11階の宴会場へ移動します。大きな窓から見える富山駅の眺望に、早速カメラを持った人だかりができますが、窓の反射が気になるなぁ……という気がするのも正直なところ。
富山地鉄鉄道部営業課の担当者の方から、挨拶と注意事項の説明があり、続いて「すぐに屋上に移動しますよ」とのお言葉。低いどよめきが参加者から漏れます。
業務用の階段を上って屋上に着くと、東に富山地鉄と北陸新幹線(残念ながら北陸線はほぼ新幹線の高架の陰)、北に富山ライトレール、西・南に市内電車と、どの角度からでも電車を撮れる素晴らしいロケーションです。
一番人気はやはり電鉄富山駅に出入りできる電車が見える東側。

入ってきた14720型の列車には、ファインダー越しに目を凝らすと方向板がついているのが分かります。地鉄の担当者氏によれば「今回のためにサプライズで付けました」とのことで、早速気分が盛り上がります。

方向板付きの14720型。

方向板付きの14720型。

渡された行程表には親切にも発着時刻表(しかも使用形式入り)が記されていますが、「(臨時)」との表記が入った列車も2往復記されており、どうやら今回の被写体になるために仕立てられた列車のようです。

やってきた臨時列車は、ラッシュ時専用となった10020型+クハ175の3連。特急うなづき号のヘッドマークも装着しています。同形式は運用の機会がごく限られますので、走行シーンを撮影できただけでも満足ですが、そのうえヘッドマーク付きの姿でますます満足です。
この列車、駅に近づくと通常より大幅に遅い速度となり、撮影しやすいよう配慮していただけたようです。

うなづき号のヘッドマークを付けた10020型。

うなづき号のヘッドマークを付けた10020型。

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【音】メトロリンク日本橋 デザインライン・タービンEVバス / [Sound] Hyblid electric bus of “Metrolink Nihombashi”

日本橋二丁目停留所に停車中のメトロリンク日本橋 / A hybrid bus at Nihombashi ni-chome stop.

日本橋二丁目停留所に停車中のメトロリンク日本橋 / A hybrid bus at Nihombashi ni-chome stop.

【音】デザインライン製タービンEVバス メトロリンク日本橋 東京駅八重洲口→東京駅八重洲口
[Sound]Hybrid bus made by Designline, “Metrolink Nihombashi” line, Tokyo eki Yaesuguchi(Tokyo station Yaesu entrance) -> Tokyo eki Yaesuguchi

日の丸自動車興業の「メトロリンク日本橋」で運行されている、デザインライン社(現在は社名がエンバイロメンタルパフォーマンスビークルズに変更されています)製タービンEVバスを録音しました。登場時、日本のバスにはない斬新なデザインと、シリーズ式ハイブリッド機構で注目を集めました。その後しばらくメトロリンク日本橋・丸の内シャトルで運行されたものの、ここ数年は殆ど姿を見かけることはなくなり、日野ブルーリボンシティハイブリッドか三菱ふそうエアロミディMEで運行されていました。しかし2014年初頭ごろから再び日々の運行にカムバックしました。
駆動力はモーターで確保するシリーズ式ゆえ、走行音はトロリーバスのようにモーター音が中心です。発電用のガスタービンも搭載されていますが、作動音は大変静かで、あまり存在を意識させません。
ご存知の通りメトロリンク日本橋は沿線企業の協賛により運賃無料で運行されており、車内では企業CMが放送されています。収録は循環路線を一周して行いました。休日昼間の収録ゆえ、乗客の話し声などが入っていますがご容赦ください。

In “Metrolink Nihombashi” line, hyblid electric buses made by former Design line(Now Environmental Performance Vehicles) run. The buses are operated in only two lines(“Metrolink Nihombashi” and “Marunouchi Shuttle” in Tokyo downtown) in Japan.
“Metrolink Nihombashi” is 4.1km loop bus line connects Tokyo station and Nihombashi shopping district. Fare of this line is free of charge, because the line is sposored by companies and stores along this line. Design line buses was introduced to improbement image of bus line and sponsors by novel style and low-emission drive system.

【更新案内】札幌市電240型の走行音を追加しました / [Update Imformation] Sound of type240 of Sapporo tram was added.

藻岩山を背景に走る240型[幌南小学校前] / Type 240 at Konan-shogakko-mae. Background is Mount Moiwa.

藻岩山を背景に走る240型[幌南小学校前] / Type 240 at Konan-shogakko-mae. Background is Mount Moiwa.

「トラムのひびき」サイトの札幌市電のページに、240型の走行音を追加しました。
2011年の夏に録音しておいたもので、吊り掛けモーターからのサウンドと、ガラガラという古風なドア開閉音がお楽しみいただけます。
札幌市電は最近自動放送の声の主が変わりましたが、この録音はしばらく前のものですので、当時の落ち着いた声の放送を耳にすることができます。
是非お聞き下さい。

I updated “Tram-no-hibiki”. I added the sound of type 240 of sapporo tram.
Eight type 240s were made in 1960. Rounded body was mostly same as another types (Type 210, 220, 230, 250). This style of body is called as “Sapporo style” from tram enthusiast. 7 type 240s are still in service as of 2014. Exterior is traditional, but interior was fully refurbished. LED passenger information display is equipped(except No. 241 and 242).
On the other hand, propulsion system is mostly original. You can enjoy the sound with nose-suspention drived motors.

【音】山万ユーカリが丘線 / [Sound] Yamaman Yūkarigaoka line.

【音】山万ユーカリが丘線1000型 ユーカリが丘→ユーカリが丘
[Sound]Yamaman Yūkarigaoka line, Type1000, Yūkarigaoka -> Yūkarigaoka

女子大駅に進入するユーカリが丘線の電車 / A Yukarigaoka line train approaching to Joshidai station.

女子大駅に進入するユーカリが丘線の電車 / A Yukarigaoka line train approaching to Joshidai station.

不動産会社が運営し、路線には一方通行の部分があり、中央案内式のシステムを採用するなど、何から何まで特異な点だらけの鉄道として有名な、山万ユーカリが丘線を録音しました。
皆様ご存知の通り、当路線は現存する唯一の日本車輌製VONAシステムで、中央案内式の走行システムが特異なら、丸みを帯びた小型車3連という外観もまた独特です。しかしその見た目に反し、モータ音はごくごく普通のもので、意外に感じられます。ただ中央案内式であることに関係があるのか、カチャカチャという音が床下で頻繁に鳴っており、この点は一般的な鉄道と異なるものです。
車内放送は自動になっていますが、他路線ではあまり聞かれない声によるもので、潔いほどに素っ気ない駅名とあいまって、この路線の独自性を強調しています。
録音は休日昼間に行いました。車内はさほど混雑していませんでしたが、家族連れなどで20人ばかりの乗車があり、それなりに地域の足として機能しているようでした。
それにしても、趣味的には面白いこの路線ですが、今後の冷房化や車両代替はどうするのか、気になるところではあります。

Yamaman Yūkarigaoka line is very unique people mover system which located in 40km east of Tokyo downtown and 30km west of Narita international airport.
Yūkarigaoka is residencial area with approx 15000 population developed by Yamaman corpolation. Yūkarigaoka line is operated by Yamaman for residents of Yūkarigaoka. But railway opreration isn’t Yamaman’s regular business. Yamaman is a land developer. Railway which operated by land developer is very strange.
Also, Yūkarigaoka line is only one of Nippon sharyo’s “VONA” system people mover. This is 4.1km racket shaped line.
The line opened in 1982. Original fleet(Type 1000) is still operated in this line(As of 2014). I recorded the sound in 2013.